ごあいさつ

世話人  中村卓郎 
公益財団法人 がん研究会がん研究所

 

 日本病理学会カンファレンスを、昨年に引き続き六甲山の地で開催いたします。

 11回目になる今回は、「イメージング技術の進歩と明日の病理学研究・病理診断」をテーマとし、病理学会の内外から最先端の研究を行われている講師をお呼びして、充実した内容の会となるよう企画しました。

 現代の病理学は人体病理学・実験病理学を問わず、形態観察に重きを置いております。その意味では、病理学の研究や診断行為そのものがイメージングの実践になりますが、病理学が主に対象とする固定された組織の観察だけではなく、細胞や組織を生きた状態で可視化する技術が最近急速に発達していることは良く知られている通りです。本カンファレンスでは、分子イメージングやインビボイメージングを用いた生命現象や病態の解析から得られた知見を講演して頂くとともに、解析になくてはならない蛍光プローブや顕微鏡、イメージング装置などの技術基盤についても紹介して頂きます。今回は、この観点から、企業からの展示・講演も予定しております。技術的側面だけではなく、「生きた」形態の観察がこれからの病理学の発展に役立つことを期待しております。

 例年のように、ポスター発表を歓迎いたします。前述のように病理学研究は全てイメージングに立脚しておりますので、テーマとの整合性にあまり囚われることなく、多くの方からの発表をお待ちしております。若手発表者には例年通り参加費補助をすることに加えて、優秀ポスター賞に選ばれた方にはトラベルグラントの支給も予定しておりますので、奮ってご応募下さい。

 六甲山は標高が768 mと高地であるため、真夏の日本とは思えないような涼しさで、夜は眼下に神戸の素晴らしい夜景が楽しめます。皆様とお会い出来ることを楽しみにしております。